川上貞奴 将来性を賭けて結婚し世界でブレイクした日本初の女優

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結婚したい。

結婚相手は将来性がある人がいい。
安定しない、苦労をこれからするような人はイヤ
この人だったら結婚したらうまくいくはず…。

そんな気持ちで結婚を考えている人はいませんか?

同じく結婚に対して将来性をもとめて人生をかけた人が居ます。
この人だったら将来、大丈夫。

そう思って結婚した川上貞奴
彼女もおんなじ気持ちでした。

しかしひょんなことに、のちに
日本初の女優といわれる川上貞奴。

どんな人生だったんでしょうか?

別荘 川上貞奴邸は名古屋に存在。大河ドラマにもなった人生

1871年 東京に生まれる
日本橋の両替商の娘として誕生
しかし家業が傾くんですね。

1878年 8歳
置屋の養女になる
そのあと東京の花柳界で育つのです。
貞奴の名で芸者になる。
花柳界というのは男性の価値を見て商売するような世界です。
イケメンだとか今お金を持っているので判断するのではなく
なのでメキメキと将来性ある男性たちを見て決めていく世界です。

川上貞奴は教養の高さと美しさで
伊藤博文西園寺公望など政界や財界からも目立つ存在に。
そしてオッペケペー節で有名な
自由民権運動している 川上音二郎と結婚

歴史の教科書に突如出てきた、あの「オッペケペー」です!

旦那の川上音二郎は選挙に2回立候補そして落選
1898年 27歳
ならば海外で再起を図る…
貞奴とボートで日本脱出をはかるもあえなく失敗。
1899年 28歳
川上音二郎の一座としてアメリカ巡業を行い女優として初舞台
別に女優がしたかったからではなくてただ旦那の川上音二郎が困ってたから…

1900年 29歳
ロンドン公演そして欧州を巡業
パリ公演
そのパリ公演にきていたロダンがもう虜に
そして川上貞奴にモデルになってほしいと依頼をするも
川上貞奴はNO
時間もないし…
そしてロダンのことを認知していなかったとか

なんともったいない…!
私が引き受けたいくらい!!!!!!!!!

パリ万博で大活躍 岐阜にゆかりある萬松園

そしてこの時パリで来ていた和服がヤッコドレスとして流行
パリで貞奴の旋風を巻き起こします。
ちなみにゲランは「ヤッコ」という香水を生産。
世界でまずファッションリーダーになるんですね。

帰国後の川上貞奴は女優として舞台に立つ。
でも芸者上がりの川上貞奴なので海外では見世物としてはウケても
やはり日本に帰ると受けないんですよね。

ちなみに海外では女優としてしのぐため
舞台で真言宗のお経を唱えていたとか…

持てる力を全て舞台で出し切ってる…!

1908年 37歳
日本で初めての女優養成所で帝国女優養成所を設立
地位としてはとても低い位置の職 女優
それを高めたい。

1911年 40歳
川上音二郎は大阪に帝国座を作るものの
出演中に亡くなってしまいます。

一人残された川上貞奴…。

川上貞奴自身が好きで始めたわけでもないのに。
結局、夫に先立たれてしまいます。

1917年 46歳
貞奴は女優を引退
最後の舞台は「アイーダ」でした。
そして川上児童楽劇団の設立します。

その後は実は初恋の人 福沢桃介と結ばれます。
その福沢桃介には妻子がいたのですが、波乱万丈の福沢桃介には
どうやら川上貞奴のほうがシックリきていたようで…、

川上貞奴とは家庭を作るどころか会社を作るんですね。
株式会社川上絹布
川上貞奴は経営にのりだします。
この資本金300万に関しては福沢桃介が出したとのこと。

温かい家庭というよりも更に波乱万丈さが増したカップル

1946年 75歳
死去

川上貞奴の生き方から学ぶ

結婚するのはもちろん相手が好きだから、将来もしっかり安定したい
そんな思いを結婚に求めるのはすごく自然だと思う。

だって幸せになるために結婚するし、誰だって将来性ある男性と結婚したい。
この気持ちは100年以上たっても同じだと思う。

でも一緒に生きると決めた男性の行く方向がだんだん違ってくる。
自分が望んでいない現実が
つくられていく。

普通に離縁することだって考えられるのに、川上貞奴の場合はそれをせずに夫を立てたいく。
女優だって今は人気の職業の一つで、なりたい人がたくさんある仕事です。

でも川上貞奴の時代は全然そんなことはなかったし、なりたい人が居なかった仕事。
将来どうなるかなんてわからないし、結婚相手に将来性を求めすぎて結婚しても
必ずしも自分の思った方向に行くとはならない。

結婚相手に将来性を求めた時点で意味なんかない。
どうなるかわからない。
むしろこの人と一緒に決めてどう自分が夫を支えて生きるか。

川上貞奴の生き方です。
ではでは
ちゃおちゃお🐾

参考文献:大正昭和美人図鑑/小針侑起/㈱河出書房新書
人妻魂/嵐山光三郎/マガジンハウス
断髪のモダンガール/森まゆみ/㈱文藝春秋