読んでほしい人
▷報われない恋に悩んでる
▷佳人薄命な話が好き
▷永遠の愛とは何か考え中
香妃
さてどんな女性だったのか見てみましょう。
香りで魅せたエキゾチックな美女 香姫
1734年 シルクロード 東トルキスタン地方 カシュガルに住み
ウイグル族和卓(ホージャ)導師の娘として誕生
この時の中国といえば清王朝。この清王朝は中国最期の王朝です。この王族は漢民族ではなくて、満州からやって来た女真族の王族です。
辮髪(べんぱつ)などの文化も彼らの文化です。
日本で身近な辮髪といえば、キン肉マンのラーメンマン
ちなみにラーメンマンのプロフィールを見たら、趣味は盆栽と料理でした。
想像以上に趣味が日本に染まってるラーメンマン…!
中国 清王朝 乾隆帝に愛される香姫
1735年 中国 清王朝 乾隆帝が24歳にして即位
康熙帝 雍正帝から続く3代隆盛の王に
ちなみにこの3代130年間が清王朝のピーク
地図で見ると、やっぱ中国めちゃ広い…。
1760年 清王朝がカシュガルを陥落。
もともと香妃はウイグル族長 ホージバーンに嫁ぐいだカシュガルの王妃
しかしジュンガル陥落で夫は戦死してしまいます。
香妃は拉致されて乾隆帝に献上されます。
女性は戦利品なんですかね…ちなみに乾隆帝とは30歳差くらい。
この乾隆帝といえば名君として有名
- 10回遠征
- 漢や唐の数倍の領土に
- 詩大好き ポエマー、 42000首の詩をつくる
そん乾隆帝は香妃にどんどん夢中になっていきます。
そんな香妃の実態は…
- 異国の姫(清王朝まで伝わるほど)
- 絶世の美女
- とにかく甘い香りがする(自然と出る体臭が甘くエキゾチック、砂ナツメの匂い?)
砂ナツメの体臭ってなんなんだw
研修亭はそんな香妃を振り向かせるため努力していたんですね。
*乾隆帝のアプローチ必殺方法*
-
- アーチ型の屋根をつけたトルコ風呂
- 美しさを保つため羊乳で風呂
- 狩猟につれてくデート
- 皇帝・皇后・皇太子しか持ってない鍵まで与えてプレゼント
一般市民にはほぼ真似できないアプローチw
結果どーだったのか?
香妃はなびきませんでした。
乾隆帝は政務も出来ないほどに。
あー、出た出た。仕事できなくなるパターン笑!
中国の歴史を見てると美女はかなりの曲者です!
過去にも国や政局ガタガタにしてます!
常に香姫は死を賜ることを望む…つまり死を希望してるんですね。
こんなにあからさまに乾隆帝からアプローチされても、気持ちは振り向かず。
常に短刀をもち、皇帝を狙い、夫と一族の復讐を…。
乾隆帝の母である孝聖皇太后は皇帝に替わり、香姫に死を賜ります。
たしかに皇帝殺されたらたまったもんじゃないし。
香姫は三度皇太后に礼をして、香姫は死去
そして皇帝が駆けつけた時は彼女は心地よい香りが…!
という若干ファンタジックな表記がちらほらあるんですよね。
誰が本当に記録してるんだろう笑
3年がかりで故郷カシュガルに、ウイグル式の建築の墓、手厚く葬り、自分の一族ともに眠っている…。
しかし香妃は中国の正史にはなく
『清史稿』の容妃という名前が。この人が香妃…?
でもこの中だと彼女は貴人→妃になり55歳まで生きてます。
つまり香姫は昇格、天寿を全うしたという説もあります。
日本で影響された作品があります。
長輿善郎 『乾隆御賦』という小説出版そして山田耕筰 「香妃」というオペラ発表
※山田さんは童謡『赤とんぼ』の作者ですね!
1948年 宝塚で「香妃」上演
関連書籍☆彡
香姫から学ぶ生き方とは
香妃はミステリアスで香りと謎に包まれた女性です。
香妃が生きていた頃の時代背景を見ますと、非常に中国の清王朝が力を持っていた時代でした。
しかも満州族30万人に対して中国の人口は2億なのでそりゃコントロール大変。重要なポストには満州人と漢人をつけて、うま〜くまとめる。一方で清王朝にダメ出しするような人は弾圧しお仕置きする。(文字の獄)
清王朝はとアメとムチ政策で治めます。そのころはイケイケどんどん支配も広めます。
香妃はそんな権力者の乾隆帝に故郷を破壊され、家族を傷つけられ、愛する夫を殺される。
宮殿に連れて行かれ、時の権力者にどんなに寵愛を受けても、傷つけられた心は修復不可。
どんなにモノに溢れて、愛を示されても、精神的には復讐心の方が強くなったと思います。
確かに自分が香妃だったら、全然知らない人に見知らぬ土地連れていかれて、家族も殺されて…。
そんな人に愛されてもな…というか完全に被害者です。確かにこんな状況なら生きていく希望さえ見つけられないかも。
皆さんが香妃ならどんな風に家族を奪った権力者で新しい夫を見ますか?
過去を流して今に生きますか。
復讐と愛に生きるでしょうか?
それとも…?
ではでは
ちゃおちゃお
参考文献:タテから見る世界史/斎藤整/Gakken
「美女」と「悪女」大全/榎本秋/新人物往来社
世界の「美女と悪女」がよくわかる本/島崎晋/PHP文庫